1-1 ディスククォータの管理
クォータとは、ユーザーやグループ単位でディスク使用量の制限量を設定する機能。クォータを使うと、ユーザーごと、もしくはグループごとにディスク容量の制限を設けることが出来る。 ユーザーやグループが利用することのできる最大ディスク使用量のことを、ハードリミットという。 ハードリミットに達する前に、制限が近づいている事を警告するディスク使用量のことをソフトリミットという。
ソフトリミットに達すると、ーザーに対して警告が発せられるが、ファイルを書き込むことはできる。 ソフトリミットを超えた後、いつまでディスク使用できるかを設定するパラメータを猶予期間という。 1-2 クォータ機能の有効化 クォータを使用するための手順は、次に示すとおり。ここでは、/homeディレクトリに対してユーザークォータを設定する手順を例に、クォータ機能を有効にする手順を説明する。 ファイルシステムにクォータを設定するには、まず/etc/fstabファイルで、マウントオプションの指定にusrquotaを追加する。
(グループクォータの場合はgrpquotaを追加する)。次の例では、
/dev/hda7にusrquotaマウントオプションを追加している。 その後、いったんファイルシステムをアンマウントし、再度マウントする。これで設定したマウントオプションが有効になる。 次に、ユーザーごとのクォータ情報を記録するデーターベースファイルquota.userを作成する。最初にこのファイルを作成し、
適切なアクセス権を設定する。 その後、quotacheckコマンドを使って、データーベースファイルquota.usrを初期化する。 ≪quotacheckコマンド≫ 【書式1】quotacheck【オプション】ファイルシステム名 【書式2】quotacheck【オプション】-a Bクォータ機能の有効化
マウントオプションとデータベースファイルの設定が済んだら、quotaonコマンドを使ってクォータ機能を有効にする。 以上でクォータ機能の有効化は完了。ちなみに、クォータを無効にするには、quotaoffコマンドをつかう。 Cクォータの設定 クォータ機能を有効化すれば、ユーザー別、グループ別にクォータを設定できる様になる。ユーザーやグループにクォータを設定するには、edquotaコマンドを使う。通常はviエディタが起動するので、設定を編集して保存する。 ≪edquotaコマンド≫ 【書式1】edquota【-p user】【オプション】ユーザー名 【書式2】edquota -t
ディスククォータ機能を利用することで特定のユーザーがファイルシステムを使いきったせいで、システムがダウンしてしまう、といった自体を避ける事が出来る。
【ハードリミット】
ハードリミットに達するとそのグループに属するユーザーはそれ以上ファイルを書き込むことができなくなる。グループ単位でハードリミットを設定することもできる。ハードリミットに達すると、そのグループに属するユーザーはそれ以上ファイルを書き込むことができなくなる。
【ソフトリミット】
このパラメータは、ハードリミット同様、ユーザー単位でもグループ単位でも設定することができる。
ハードリミットに達するとそのグループに属するユーザーはそれ以上ファイルを書き込むことができなくなる。
【猶予期間】
猶予期間が経過すると、ソフトリミットがハードリミットと見なされ、それ以上のファイルの書き込みができなくなる。
解消するためには、ソフトリミット以下までファイルを削除する必要がある。
@/etc/fstabファイルの設定
/dev/ha7 /home ext3 defaults,usrquota 1 2
♯ umount /home
♯ mount /home
Aquota.userファイルの作成
♯touch /home/quota.user
♯chmod 600 /home/quota.user
♯quotacheck /home
quotacheckコマンドでは、ファイルシステムを調べてディスクの使用量をチェックし、データベースファイルquota.user、quota.groupに記録する。
♯quotaon /home
♯quotaoff